QOLという言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
タイトルにあるように「生活の質」とか「生命の質」とか訳されることが多いです。
とは言え、ぼんやりとしたイメージになりがちではないでしょうか?
緩和ケアにおいてもQOLについて考えることは非常に大切です。
WHO(世界保健機構)によると、「緩和ケアの一義的な目標は、死を早めることも死を遅らせることも意図せず、患者とその家族にとってできる限り可能な最高のQOLを実現することである」(1990年)とあります。
これから考えると、患者とその家族にとっての最高のQOLとは何か?を明確にすることが大切なプロセスなのではないでしょうか。
皆さんにとってのQOLとは何ですか?と問われるとどう答えますか?
自分にとっての満足感、活力や生きがいの源となっていること。とても大切にしている考え方や価値感。こういった主観的な要素が含まれる場合が少なくありません。一方で、客観的な要素として身体状況・精神状況・経済状況・社会生活環境などもQOLの高低に影響を及ぼします。それらを総合的に整理していくことがポイントと考えます。また、このQOLというものは、日々変化しうるものだということを認識しておくことも重要です。したがって、身近に楽しめる内容や趣味活動の充実などといった事柄から、人生の転換点や生命にかかわるような重大な局面に至るまで様々な要素があるということがご理解いただけると思います。
