今日の新聞記事に「途上国の命救うカンガルーケア」WHO発表とありました。
先日、アップしたタクティール®ケアの中に未熟児の内容を記載しました。その内容に関連する内容でしたので改めて紹介します。
発展途上国で早産や低体重の状態で生まれたばかりの赤ちゃんを、母親のおなかにのせて抱っこする「カンガルーケア」を行うことで、毎年15万人の命を救うことができるとする報告を世界保健機構(WHO)のチームが発表した。WHOはこれまで、いったん赤ちゃんを保育器に移して状態が安定してからケアするように勧めていた。チームがインドやアフリカの国々で3千万人以上の新生児を調査すると、すぐに母親と触れ合って母乳を与えられる方が生存率が大きく高まることが分かった。チームは「互いに引き離されることに伴う母子のストレスも減らせる」と指摘。カンガルーケアに適した新生児集中治療室(NICU)を途上国で整備するよう求めている。(2021/6/24:北海道新聞)
この記事から、母親との触れ合いがとても大切な因子であることがあらためてわかります。

一方でこの記事を読んで、こんなことも思い出しました。今でこそあまり耳にしなくなりましたが、私も親によく言われた「抱き癖」についてです。抱き癖とは、本来欧米で主流であった育児方が、変化して日本に伝わったものだそうです。18世紀半ば過ぎ、イギリスでは産業革命が起こりました。社会進出する女性の心身の負担を軽減することを目的に『子どもは別室で寝かせ、あまり手をかけてやらない方が良い。その方が、子どもは自立するもの』と、提唱した学者が現れました。それまで重視されていた たくさん触れ合って、愛情たっぷりかける事が非合理的だと言われ始めたのです。そして、産業革命の波は日本にも押し寄せられ、「抱かない 触れない 育児法、抱き癖がつくことは良くない」という考え方が植え付けられました。言葉を自由に操れない乳児が泣く事が意味することは、そのほとんどが「抱っこしてほしい」と言うことなのです。
では、「抱かない・触れない育児法」で育った欧米の子供が大人になったら、どうなったのか…というと実は…
人を殺めたり、横暴であったり、社会的人格の欠如した人たちが、ある年代を中心に増え始めたのだそうです。なぜなのか? もう、分かりますよね? そうです。産業革命時代に提唱されていた育児法に原因があるのだという結論に至ったのでした。
他にも、先進国と途上国とでの育児において、運動機能の発達の差についても言及されていました。途上国の乳幼児の二足歩行獲得時期は、先進国の子の発達に比べて早いと。そこには、親との触れ合う機会や頻度の違いが挙げられています。
触れることは、成長や生命に影響を与える重要な因子です。世界的なパンデミックに人との接触を敬遠しがちですが、それが故に触れ合うことの重要性を改めて認識できる局面がもしかすると「今」なのかもしれません。
